本研究では,異なるcompaction形成過程を経た胚盤胞の特徴ならびにその正倍数性を調査した.正常な発育を経てcompactionを形成する群をControl(C群),compaction形成時に細胞が取り残される(I群),compaction形成途中で割球を排出する(Ⅱ群)の3群に分類し,IおよびⅡ群が観察される胚の特徴(発育速度および分割様式)および正倍数性について調査した.胚盤胞到達時間においてⅡ群はC群と比較して有意に遅い値を示した.direct cleavage,reverse cleavageが発生した胚をabnormal cleavage(AC)と定義した.ACの発生頻度おいて,I群はC群と比較して有意に高い値を示した.Ⅱ群が観察された場合,euploidy胚である可能性が低くなることが示された.I群はACが確認された場合に多く発生し,Ⅱ群が確認された場合は胚盤胞到達までに時間がかかる.Ⅱ群が観察されるとeuploidy胚である可能性が低くなることが示された.