書誌情報

Vol.40 No.1

書誌情報 フルテキスト
原著
顆粒球マクロファージコロニー刺激因子含有培養液の有効性の検討
JMOR, 40(1) 21-24, 2023
医療法人社団岡山二人クリニック 〒701-1152 岡山市

GM-CSFはサイトカインの一つであり,妊娠と関連があることが報告されている.今回,単一融解胚盤胞移植を対象とし,胚移植に使用する培養液中にGM-CSFを含む(GM-CSF群),GM-CSFを含まない(従来群)の違いが,妊娠率,流産率および生児獲得率に及ぼす影響を比較検討した.2020年12月から2021年3月までに,当院にてホルモン補充周期での単一融解胚盤胞移植を行った362症例431周期を対象とした(GM-CSF 230周期,従来群 201周期).妊娠率と生児獲得率では有意な差は認められなかったが,流産率はGM-CSF群が低値だった(P < 0.05).これまでに流産および死産の既往がある症例に限定した臨床成績(GM-CSF 106周期,従来群 96周期)は,流産率はGM-CSF群が低値であり,生児獲得率はGM-CSF群が高値だった(P < 0.01).GM-CSFを含む胚移植用培養液の流産率改善効果が示され,特に流産既往のある症例では有効であり,生児獲得率向上に寄与する可能性が示唆された.

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