書誌情報

Vol.40 No.1

書誌情報 フルテキスト
特集:胚培養士の教育と育成
胚培養士の職場環境と教育の現状
JMOR, 40(1) 9-14, 2023
1滋賀医科大学産科学婦人科学講座 〒520-2192 大津市 2滋賀医科大学医学部医学科 〒520-2192 大津市

胚培養士の教育や職務内容は各生殖補助医療実施施設に委ねられており,施設間格差が大きいことが推察される.そこでその実態を知るために,生殖補助医療登録施設に2022年1月から3月にアンケート調査を行い,246施設(40%)より回答を得た.胚培養士の職務内容は胚培養以外の業務や教育も含め多岐に及んだ.新人胚培養士の教育は,オンザジョブトレーニングが9割を占め,胚の凍結融解作業は約1年,顕微授精は約2年で技術習得がなされていた.採卵件数が年間100件以上の施設において,胚培養士1人あたりの年間採卵件数の実態は100件であったが,80件程度が適切と考えられていた.新人胚培養士は5年間で約4割が離職していた.多変量解析の結果より,離職防止に資するのは採卵件数あたり適正と思われる胚培養士数を配すること,教育カリキュラムを改善すること,雇用条件としてヒト胚経験者に固執しないことが考えられた.

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