日本卵子学会では,胚培養士の認定を行っており,その質を担保するよう社会的責務を果たしている.現在,生殖補助医療は新しい技術がいち早く導入され,その技術習得は治療成績と直結する.また,新しい技術の導入には倫理的な配慮が重要である.胚培養士を指導する人材の育成として,日本卵子学会では,管理胚培養士(senior embryologist)の資格を設定している.管理胚培養士は,生殖補助医療に対する高度な知識と能力並びに倫理観を有している者と規定されている.ここでいう高度な知識と能力とは,培養室の設計,維持および管理,胚培養士の指導並びに臨床医師への適切な助言等ができることである.本稿では,管理胚培養士の認定制度の発足の経緯,期待される役割とその取得に関する現状について述べ,管理胚培養士のさらなる取得者数増加の一助としたい.