書誌情報

Vol.39 No.2

書誌情報 フルテキスト
原著
マイクロ流体技術を用いた精子選別の有用性の検討
JMOR, 39(2) 105-110, 2022
医療法人社団岡山二人クリニック 〒701-1152 岡山市

体外受精の精子回収方法として,密度勾配遠心分離法(density gradient separation; DGS法)やSwim-up法,両者を組み合わせた方法が多く実施されているが,時間を要し,遠心分離により精子細胞膜が物理的ダメージを受け,活性酸素への暴露によるDNA断片化精子増加が懸念される.精子DNA断片化率が高いと胚発育,妊娠予後が不良になることが報告されている.ZyMōt™ Multiスパームセパレーター(以下ZyMōt法)は遠心分離が不要なデバイスで,精子回収後,DNA断片化精子が減少する報告がある.当院の体外受精反復不成功症例で,DGS法とSwim-up法で精子回収した周期と,その後ZyMōt法で精子回収した周期での胚発育,妊娠予後の比較検討を行った.ZyMōt法周期において,3日目良好分割胚率,5日目胚盤胞到達率,良好胚盤胞到達率,有効胚率が高く,流産率が低かった(P<0.05).ZyMōt法は体外受精成績を良好にする可能性が示唆された.

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