書誌情報

Vol.39 No.1

書誌情報 フルテキスト
総説
高齢不妊女性に対するサプリメントの有用性
JMOR, 39(1) 27-34, 2022
1国際医療福祉大学大学院医学研究科 〒286-8686 成田市 2あすか製薬株式会社創薬研究本部応用創薬研究部 〒251-8555 藤沢市

近年,不妊患者の増加と共に,生殖医療技術は目覚ましい進歩を遂げてきたが,不妊患者全体の妊娠率や出生率は向上していない.その要因として,女性の妊娠希望年齢が上昇し,卵巣機能が低下した難治性の不妊が増加したことが関与していると考えられる.これまでの基礎研究により,加齢に伴い卵巣機能が低下する過程で活性酸素による過剰な酸化ストレスが蓄積し,DNA障害,脂質過酸化,タンパク質の損傷などによって卵胞内環境が悪化することで卵子の質が低下する可能性が示唆されている.そのため高齢不妊に対する不妊治療では,卵子の質の改善を期待して,抗酸化剤やホルモンを中心としたサプリメントの服用が試みられている.本総説では,サプリメントに含まれる各種成分について,加齢による卵巣機能低下に対する有効性を実験動物などで検証した前臨床試験や,ヒト臨床試験などの最近の研究報告について概説する.

Google Scholar著者名・キーワードは「Google Scholar™ 学術文献検索」の検索結果へリンクしています。