書誌情報

Vol.38 No.2

書誌情報 フルテキスト
特集:生殖補助医療における精子処理の基礎と実際
非遠心型精子処理デバイスの導入と展望
JMOR, 38(2) 55-59, 2021
1医療法人浅田レディースクリニック 〒450-0002 名古屋市 2浅田生殖医療研究所 〒486-0931 春日井市

ARTや人工授精を実施する上で精液の処理は必須な工程である.一般的には密度勾配遠心法や遠心を用いた洗浄,Swim up法が多く用いられるが,最近では遠心処理による物理的なダメージによって生じる精子DNAの断片化が懸念されている.そこで,ZyMōtやMIGLISをはじめとしていくつかの遠心処理を行わない精子処理デバイスが開発されている.当院でもこれら遠心処理を行わない精子処理デバイス導入に向けて検討を行ってきた.まず,MIGLISとZyMōtの2種類のデバイスを同一症例の精液を用いて処理し,Sperm motility analysis system (SMAS)にて所見を解析した.その後,解析結果が良好であったZyMōtと現行法である密度勾配遠心法で同一症例の精液を処理し,ICSI後の受精率および発生率を比較した.本稿では非遠心型精子処理デバイスについて検討した結果,ZyMōtを臨床導入できると判断するに至った経緯を紹介すると共に,将来の展望について考察した.

Google Scholar著者名・キーワードは「Google Scholar™ 学術文献検索」の検索結果へリンクしています。