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Vol.38 No.2

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特集:生殖補助医療における精子処理の基礎と実際
精子の運動メカニズムから考える精液輸送,精子処理法
JMOR, 38(2) 41-45, 2021
広島大学大学院統合生命科学研究科 〒739-8528 東広島市

精子は,非常に高い運動能を持ち,受精するという役割に特化されたユニークな細胞である.したがって,他の細胞で報告されている知見がそのまま当てはまらないことが多いこと,動物種間でも大きさや形態が大きく異なることから,精子の運動メカニズムといった生物・生命科学的な観点だけでなく,精子を利用する生殖工学や高度生殖補助医療において,精子に関して何が正しい情報であるかを判断することが難しい.このことが,精子の凍結保存,人工授精や体外受精法の技術発展を遅らせている要因と考えられる.本稿では,精子運動の基本的なメカニズムについて,エネルギー生産に焦点を当てて解説し,そこから考えられる最適な精子処理法について,家畜や実験動物での実験・実施例を含めて紹介する.

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