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Vol.37 No.2

書誌情報 フルテキスト
原著
細胞膜破膜方法がICSIの受精と胚発生に及ぼす影響―吸引とPIEZO刺激による細胞膜破膜方法の比較―
JMOR, 37(2) 121-129, 2020
1みのうらレディースクリニック 〒510-0256 鈴鹿市 2川戸レディースクリニック 〒510-0007 四日市市

PIEZO-ICSI法は,透明帯貫通時の卵への負荷が軽減し,受精率は向上するとされる.しかし,細胞膜破膜時のPIEZO使用の効果に言及した報告は少ない.そこで,透明帯貫通はPIEZOを使用し,細胞膜破膜を吸引(P-吸引法)あるいはPIEZO刺激(PIEZO法)で行い,受精率と胚発生と着床率および流産率を検討した.胚発生はPIEZO法で優位に良好であった.受精率と着床率,流産率には差を認めなかった.ICSI全症例での透明帯貫通後の手技行程(細胞膜破膜までに針を進めた距離・細胞質吸引量・精子排出の難容・精子排出時の針の動き)がICSIの成績に及ぼす影響においても検討した.細胞質吸引量が胚発生に最も強く影響した.PIEZO法は,P-吸引法より細胞膜破膜の際の細胞質吸引量が少なく,それが胚発生の向上につながったと考えられた.したがって,透明帯貫通と細胞膜破膜にPIEZOを使用するPIEZO-ICSIは良好な成績を得られる方法である.

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