書誌情報

Vol.37 No.2

書誌情報 フルテキスト
原著
人為的な多精子受精胚作出のリスクを減らすrescue ICSIの適応基準の検討~タイムラプス観察から得られた第二極体放出時間を用いた考察~
JMOR, 37(2) 113-119, 2020
仙台ARTクリニック 〒105-0004 仙台市

人為的な多精子受精を低減するrescue ICSIの適応基準の設定を目的とした.cIVF開始4時間後から卵子をタイムラプスインキュベーターで培養し,得られた観察データを用いて,様々な適応基準の下,rescue ICSI対象卵子を抽出した.抽出した卵子のうち,cIVFで正常受精しており,本来rescue ICSIを実施すべきではない卵子の割合(rescue ICSI非推奨卵率)を調査した.適応基準は,極体観察時間(cIVF 4,5,6,7,8時間目)と第二極体放出卵の割合(0% / 0~30% / 100%未満)を組み合わせて設定した.rescue ICSI非推奨卵率は極体観察を4時間目とした場合,37.4~40.8%であったが,8時間目ではほぼ0%になることが分かった.一方,第二極体放出卵の割合でrescue ICSI非推奨卵率に有意差は認められなかった.今回の結果から,rescue ICSIの人為的多精子受精を低減するには,極体観察時間を遅くすることが有効であると判明した.

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