PGT-Aは胚の異数性を検査して妊娠率を改善し流産率を低下させる目的とするものである.理論的には正数性の胚のみを移植することができるようになるため,形態所見のみによる移植胚の選択に比較して臨床成績は改善することが期待される.しかしながら,これまでの欧米でのRCTではその有益性は確認されていない.現在の栄養膜細胞生検によるPGT-Aには特有の限界がある.日進月歩のゲノム検査における情報量の増加とその取り扱いに関するコンセンサスの乖離は危険でもある.現時点ではPGT-Aは臨床研究として慎重に適用すべき検査である.