書誌情報

Vol.37 No.2

書誌情報 フルテキスト
特集2:PGT-A の是非
着床前遺伝子診断の現状と今後の課題―生殖補助医療におけるPGT-A の有用性とその効果―
JMOR, 37(2) 65-72, 2020
大分大学医学部産科婦人科 〒879-5593 由布市

近年,生殖補助医療においては体外受精・胚移植等の妊娠率や生児獲得率の向上を目指してpreimplantation genetic test for aneuploidy(PGT-A)が広まりつつある.胚からの生検技術の進歩や分子生物学的手法の発達にともなってPGT-Aの診断精度が高まってきた.特に生殖年齢の高齢患者,原因不明反復流産や反復着床不全症例に対しては,妊娠率ならびに生児獲得率の向上や治療回数の削減に貢献するなど,その有効性について報告されてきた.一方で,卵巣予備能の低い症例やモザイク胚の取り扱いに関しては議論の余地が残っている.成績改善を目的としたPGT-Aを円滑に遂行するためには,医療従事者のみならず社会的な認知を得るためにも今後のさらなる研究成果が待ち望まれる.

Google Scholar著者名・キーワードは「Google Scholar™ 学術文献検索」の検索結果へリンクしています。