書誌情報

Vol.37 No.2

書誌情報 フルテキスト
特集1:管理胚培養士セッション~日ごろのラボ業務からもう一歩先へ~
胚培養士として工夫している胚凍結と培養のあれこれ
JMOR, 37(2) 53-58, 2020
セント・ルカ産婦人科 〒870-0823 大分市

胚培養士の業務で要となる胚凍結と胚培養に関し,普段行っている工夫や留意点を述べる.ガラス化法を用いた胚凍結で成績を左右するのは,耐凍剤の種類とデバイスである.耐凍剤は細胞内に透過しやすく毒性の弱いものである必要があるが,毒性を考慮してDMSOが含まれていないものを選択している.また,液体窒素から胚へのコンタミネーションを極力抑えた閉鎖系のデバイスを用いることで安全な医療を提供する原則を守っている.胚培養に用いる培養液の扱いは,施設に届いたときから始まっているため,瓶を開けてからの取り扱いや使用前の確認事項を定め,問題発生時には追跡できるようにする.また,患者の胚を2種類の培養液に分け培養するSplit培養をし,定期的に培養成績の振り返りを行い患者背景もふまえ問題がないか検討している.また,採卵時から個別で培養を行い,由来する卵胞が把握できるようにしている.体外培養終了から10日経過した妊娠結果に真の培養結果が反映されていると考え,ラボの品質維持に努めることが必要である.

Google Scholar著者名・キーワードは「Google Scholar™ 学術文献検索」の検索結果へリンクしています。