
ヒト卵子・胚の凍結保存技術は,緩慢凍結法からガラス化保存法への移行によって100%に近い胚生存率が得られるようになり,その結果,世界的に全胚凍結周期と凍結融解胚移植の割合が増加した.現在の凍結融解方法は20年近くにわたり世界中のART施設で実施されており,確立された技術といえる.その一方で,近年のARTの高度化・多様化を背景にIVFラボワークの効率化も求められるようになった.特にここ数年で報告されている凍結融解方法の簡略化は,卵子・胚の生存率や発生能,着床能を維持したままIVFラボワークを効率化する手法として注目されている.本稿では,まず標準的なガラス化保存および融解手技を概説する.次いで,近年報告されている手技の簡略化,特に短縮融解法に焦点を当て,当院で得られたデータを含めてその有効性について報告する.