迅速FISH法によるウシ受精卵の性判別を紹介した。標本はウシ胚盤胞からバイオプシーした約10個の割球から作製した。PCR法により作製したDig-標識プローブ(ウシ雄特異的塩基配列BC1.2)を含むハイブリダイゼーションミックを標本に滴下し、72℃のアルミブロック上で8分間変性した。ただちに、38.5℃で5分間ハイブリダイズした後、72℃に保温したSSPEに5分間静置して高速洗浄を行った。プローブの発光は抗Dig-FITCを用いて行い、蛍光顕微鏡で観察した。FISHの操作が1時間以内に完了し、雄胚と雌胚とが明瞭に判別できることから、迅速FISH法はウシ受精卵の性判別に有効と考えられた。