Japanese society of Ova Research

Abstract

Vol.13 No.2

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卵核胞期に媒精したイヌ卵子における雌雄両前核の形成
JMOR, 13(2) 122-124, 1996
DOI: 10.1274/jmor.13.122
1(株)CSKリサーチパーク 長野県諏訪市 〒392 2東京大学医科学研究所 東京都港区 〒108

イヌは排卵の2~3日前から交配が可能であること、排卵時の卵子は卵核胞期(GV期)であることから、GV期の卵子に精子が侵入し正常に発生する可能性が考えられる。本試験では排卵直前のGV期の卵子を採取直後媒精し72時間後まで培養することにより、精子侵入率、精子侵入卵子の核ステージ及び精子核の膨潤化の関係を調べ、イヌのGV期卵子が受精に携わる可能性について検討した。精子侵入率は媒精後24時間ではすでに64.4%と最高値に達していたが、その精子侵入卵子の成熟率は6.9%であった。従って、GV期の卵子が精子の侵入を受けたと考えられた。その後、精子侵入率と成熟率は媒精後48、72時間でそれぞれ57.1%及び17.9%、54.3%及び60.0%となった。媒精後72時間の成熟受精卵の26.7%に雌雄両前核が認められた。以上の結果より、イヌではGV期に受精した卵子が前核を形成することが示され、GV期卵子が正常受精に携わる可能性が示唆された。

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