Japanese society of Ova Research

Abstract

Vol.12 No.1

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ファース卜・システムを用いたラット卵子の初期発生胚の構成タンパク質パターンの変化の検討
JMOR, 12(1) 51-57, 1995
DOI: 10.1274/jmor.12.51
東北大学農学部動物生殖科学講座 宮城県仙台市 〒981

ラットの排卵卵子から早期胚盤胞までそれぞれ5個ずつの着床前胚をキャピラリーチューブに吸引し、ドライアイスと温水(50℃)に交互に漬けてチューブ内の胚を破砕した。それらの胚はファースト・システム(ファルマシア社製)を用いたSDS電気泳動―銀染色法により蛋白パターンを出現させ、イメージマスター(ファルマシア社製)で画像処理し解析した。50-52KDと15-16KDのバンドが桑実期までの胚では認識されたが、これらのバンドは早期胚盤胞では顕著に減少した。ラットの血清、子宮液、顆粒層細胞の蛋白パターンと比較した時、これらのバンドは胚に特異的であった。さらに、ラット体液と顆粒層細胞の主要な構成分であるアルブミンに位置するバンドはラット胚では顕著に少なかった。6~11個のラット卵子の透明体を胚と同条件で処理した時にはバンドは現れなかった。従ってこれらの胚に特徴的なバンドは胚の実質に存在するものと考えられた。

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