ブタ体外受精卵子の発生に及ぼす卵管及び子宮の上皮細胞の影響を共培養によって検討した。共培養に使用した単層はブタの卵管膨大部及び子宮角の上皮から採取して形成させた。卵管上皮細胞と共培養した卵子の発生率は、対照区(培養液のみ)と比較すると有意に高かったが、子宮上皮細胞と共培養した場合には、有意差は見られなかった(P<0.05)。さらに卵管の膨大部、峡部及び子宮・卵管接合部それぞれの上皮の細胞から形成させた単層と卵子を共培養した。卵管の膨大部及び峡部上皮細胞と共培養した場合の胚盤胞への発生率は、それぞれ15.3%及び15.3%であり、これらの値は、子宮・卵管接合部の上皮と共培養したときの発生率(9.9%)及び対照区の発生率(6.7%)との間に有意差は認められなかった(P<0.05)。以上の結果から、ブタにおいて卵管上皮細胞との共培養は体外受精卵の発生を促進することが明らかになった。