マウスピースピペッティングや卵子,胚,精子を凍結融解する際の交差汚染を調査した.蛍光試料を体液とみたて,操作後にブラックライトを照射して汚染箇所を調べた.マウスピースピペッティングを用いた場合では,母指,示指,ピペット,凍結デバイス,培養ディッシュ,顕微鏡ステージ,粗動焦点ハンドル,微動焦点ハンドル,インキュベーター扉,実施者の服および汚染箇所を触った他者の母指と示指に交差汚染が認められた.ストローを用いて蛍光試料を凍結融解した場合では,ストローの外側,凍結実施者の母指,示指,シーラー,凍結台,ストローカッターに交差汚染が認められた.ストローカッターはアルコール綿で消毒しても汚染除去できなかった.マクラーカウンティングチャンバーは流水洗浄で汚染除去できず,0.1%次亜塩素酸ナトリウム液を用いて1時間以上洗浄した場合で除去できた.標準予防策およびヒト精液検査と手技WHOラボマニュアルに従い,適切手技の順守が必須である.