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Vol.39 No.1

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特集:ゲノム編集技術の基本~基礎から臨床に向けて~
ゲノム編集技術による遺伝子改変家畜の作出
JMOR, 39(1) 17-26, 2022
1自治医科大学医学部先端医療技術開発センター 〒329-0498 下野市 2徳島大学バイオイノベーション研究所 〒779-3233 徳島市 3徳島大学生物資源産業学部 〒770-8513 徳島市

CRISPR/Cas9システムをはじめとするゲノム編集技術の登場により,生物が持つゲノム配列の任意の箇所を高効率に改変することが可能となった.細胞や胚での遺伝子改変が格段に容易になったことで,マウスやラットなどのげっ歯類実験動物からブタやウシ,ヒツジ,ヤギなどの家畜も含めた幅広い動物種で遺伝子ノックアウト・ノックイン個体の作出に要した労力と時間が大幅に削減された.ゲノム編集は,小型げっ歯類実験動物では遺伝子の司る機能,病態への関連などを解明するために多く用いられ,今や必須のツールである.一方家畜では,産業面で有用な形質の付与および,先端的な医療技術のヒトへの橋渡し,ならびに前臨床研究を推し進めるための医用モデル作出が加速している.本稿では,ゲノム編集技術による遺伝子改変個体の作出報告を基に,家畜におけるゲノム編集の現況を概説する.

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