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Vol.36 No.2

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特集:卵子学会トピックス2018
ヒト生殖細胞系列におけるゲノム編集治療:現状と課題
JMOR, 36(2) 99-105, 2019
埼玉医科大学ゲノム医学研究センター遺伝子治療部門 〒350-1241 日高市

ゲノム編集はゲノムDNA配列を自由に改変する技術であり,従来の遺伝子治療の可能性をさらに広げる新技術として注目されている.ゲノム編集技術により遺伝子ノックアウトや遺伝子修復効率が桁違いに上昇する.2015年に中国のグループがヒト受精胚を用いたゲノム編集実験を行い,研究の正当性を含めた倫理的な問題が大きな論議を呼んだ.それに対して,同年12月にゲノム編集のヒトへの応用を多角的に議論する国際サミットが開催された.さらに,2018年11月の第2回のサミットで,中国の別の研究者がゲノム編集を行ったヒト受精卵から双生児が生まれたことを発表して,科学界でなく一般社会にも大きな衝撃を与えた.本稿では,ヒト体細胞ならびに受精胚のゲノム編集技術の課題・展望について紹介する.

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